コミュニティを一年運営して学んだこと

March 11th, 2022

海外で働きたい、または働いている女性/ノンバイナリー in Tech のためのコミュニティを始めてからあっという間に一年が経ちました。コミュニティは何より立ち上げた人が得をするし、何もわからないままに思い切って始めて良かったなと日々思うことばかりで、もっと色んな人がコミュニティを作ってそれぞれが自分に合うコミュニティを見つけてくれたらなと思う。私は別にコミュニティ運営のプロでも何でもないし今後どうやっていくか悩んでいることも色々あるけど、オンラインサロンではなくビジネス目的でもないコミュニティの立ち上げ方や続け方、学んだことや悩みが、これからやってみたい人に何かしら参考になれば。

まず最初にどんな感じでコミュニティをやっているか書いておきます。コミュニティと言っても色んな形式があるけど、このコミュニティはDiscordで招待制でやっています。参加ルールを読んで私にTwitterのDMで簡単な自己紹介と共に参加条件を守れることを宣誓してもらってから招待リンクを送る形。参加条件を守ると宣言できて、Tech業界で働くまたは働くことを目指しており、海外に住んでいるまたは住むことを目指してさえいれば、招待リンクは基本送っているので自己紹介を読んで選別したりはしていません(一番大事なのは参加条件を守ってくれるかどうかなので)。入ってもすぐに全部のチャンネルは見えないようになっていて、自己紹介チャンネルに投稿してもらってから手動で当てはまるロールを付与して、それから全部見えるようになる仕組みにしています。メンバー数は今120人で、いつもいるアクティブメンバーは15人くらい、さらに20人くらいが頻度は下がるけど定期的に来ているイメージ。しばらく来ないけど突然現れるみたいな人が結構いる。

コミュニティを作る場所

SlackとDiscordが人気の選択肢だろうけど、ロールと権限を細かく設定できるのでDiscordの方がコミュニティ運営に向いていると思う。最近はTwitterのコミュニティも出来たけど、トピックごとにツイートできるみたいな感じだし今のところ誰でも見られるのでちょっと違うタイプな気がする。

コアメンバーを集める

コミュニティを一緒に運営してくれる仲間がいるの本当に大事。私のコミュニティではなくみんなのコミュニティ感が出るし、私が全部の質問に対して答えを持っているわけではないので、同じように答えられる質問にはなるべく答えてくれる人が複数いるのはすごく助かる。

私がコミュニティをやりたいとツイートしたときに、昔私の書いた文章を参考に海外就職した人たちが手伝うと言ってくれたのでお願いしたのと、コミュニティで初期の頃からアクティブに書いてくれた人達をリクルートして最初のコアメンバーになりました。

コミュニティをどう運営していくか迷ったときに複数の人と話し合って決められるのは心強い。最初の頃は誰でも全部のチャンネルを見られる状態だったけど、入ったあとに何も書き込まないまま見ているだけの人が増えてきて不安に思い、コアメンバーに相談してその後は自己紹介をしないとほとんどのチャンネルは見られないように設定した。他にも些細なことから大きなことまで、いつも自分一人で考えて決めるのは負担が大きいし間違った方向に向かってしまうかもしれないし、一緒に考えてくれる人がいることは大きい。

コミュニティのルールを作る

どんなコミュニティを作るかにもよるけど、知らない人がたくさん集まる場所で誰もが安心して話せる場所を作るのは運営者の責任だと思うので、ルールは問題が起きてから作るのではなく最初からきっちり作っておいた方が絶対に良い。

「海外で働きたい、または働いている女性&ノンバイナリー in Tech」の中で、私はシスヘテロだし家庭にもゆとりがあったしフランス語が話せなくても助けてくれるパートナーがいるし障がいもないし日本国籍だしとあらゆる面において特権側なので、自分とは異なる背景を持つ女性、ノンバイナリーが差別されることなく楽しくコミュニティで話してもらうためにも、どういう基準でコミュニティに人を入れて、どういう行為が許されないとしているのか、きっちり示しておくのは最低限出来ることだと思う。

ルールは何度か書き換えて今の形になっているんだけど、もう少し具体例を書いたりしてアップデートしたものを作りたいと思いつつ全く出来ていないので、今年の前半が終わるまでには書きたい。どんなルールを書けばいいかわからないという人はうちのをコピーしてもらって全然構わないです。

質問には反応する

誰かが何か質問してくれたのに、誰からも返事がこないと(特にコミュニティに馴染んでいない頃だと)あまりに辛いと思うので、もし誰も答えを持っていなさそうで私もわからないときには、「このコミュニティに答えられる人がいないかも」「私はわからないけど誰か知っている人いませんか」とか、無視されるより良いと思って何かしら反応するよう心がけている。

私は私の経験からでしか答えられないので、色んな意見が集まるようコアメンバーが他にもいてくれることはそういう意味でも助かる。

今はコアメンバーだけでなく色んな人が質問に答えてくれるのでコミュニティの皆さんには感謝しかないです🙏

コミュニティを運営する側を増やす

コミュニティに馴染む一番の方法は運営側に回ることだと思うので、イベントはみんなに勝手に開催してもらうようお願いしているし、こういうイベントの主催やってくれませんかと指名したりしている。

初期のコアメンバーは私が元からTwitterで繋がっていたりコミュニティをやっていく中で友達になった人が中心だったので居心地は良かったけど、運営している人たちがみんな私の友達だと例えば私やコアメンバーの行動に何か問題があったときに指摘しにくいと思ったので、その後にコミュニティの中から運営メンバーとして何人か入ってもらった。

適切なチャンネルを作ると会話が盛り上がりやすい

最初の頃はあんまりたくさんチャンネルが乱立するのは嫌だなと思って控えめにしていたけど、適切なチャンネルが作られることによって以前はどこに書いたらいいかわからなかったことの居場所が見つかって投稿が増えたりするので、盛り上がっているトピックがあったら積極的にチャンネルを作っています。その後に使われなくなったら整理すればいいので。

欲しいチャンネルがあったらいつでも言ってくださいと書いてはいるけど、なかなか言いづらかったりするみたいなので運営側が積極的に作っていくの大事。

参加するハードルが低いチャンネルを作る

私もコミュニティを運営する前は、どこかのコミュニティに参加してもみんな仲良さそうにしているし新参者の私が何か書いたら何だこいつと思われるのではないかと思って何も書けなかった経験があるので、書き込みやすいチャンネルがあるのは大事だなと思う。ちなみに自分でコミュニティをやってみて思うけど、新しく参加した人が何か書いてくれるとただひたすらに嬉しい。

うちのコミュニティだともくもく部屋と愚痴部屋はわりと書きやすいのではないかと思っています、特にもくもく部屋はこれから勉強すると宣言するだけなので。愚痴部屋は私がTwitterに書けない愚痴を言いたいがためだけに作ったけどみんな結構愚痴ってくれていて嬉しい。

心理的安全性

たまにコミュニティ内の誰かと個人的に話すと、年齢が他のみんなより上なことや毎日頑張っている人たちと自分を比べてしまって気後れしてしまうとかを聞くので、そういうことで気後れする必要は全くないし、コミュニティ内に上下はないこと、みんなに発言して欲しいし、プレッシャーは感じないでほしいというようなことを定期的に発信していくのは大事だと思う。

コミュニティはあくまでボランティアワーク

例えコアメンバーでもコミュニティはボランティアでやってくれていることを忘れないこと、みんなに求めすぎないこと、精神的に辛かったり仕事が忙しいときはコミュニティから距離を取ってもらってもちろん構わないし、それぞれのペースで余裕があるときに手伝ってもらう、っていうスタンスでいないと長く続かないと思う。これは管理人の私にも当てはまると思っていて、仕事やプライベートでいっぱいいっぱいの時はコミュニティワークを休んだり控えめにしたりしてます、じゃないとすぐバーンアウトするので。コミュニティは仕事じゃないし報酬は発生しないし、フルタイムで仕事をしながらコミュニティにもアクティブに関わってくれるみんなには本当感謝の気持ちしかない。

人はいなくなるもの

万人に合う場所って作れないので、合わなかったり何か不満に思うことがあったりして辞めていく人はいるから誰かがいなくなったことに気付いても落ち込まないの大事(と言いつつやっぱり何も言わないで辞めるってことはそれなりに嫌なことがあったのかもと思って私は数日落ち込んだりします)。一人でも多くの人が楽しんでもらえるような場を作れるよう最大限の努力はしつつ、合わない人もいるし去っていく人がいるのは仕方ないし、またいつか戻りたいと思ってもらえたらその時は喜んで受け入れようと思っている。

去っていった人が自分に合うコミュニティを見つけてくれたらなと思うし、コミュニティへの不満点を改善した新しいコミュニティを自分で立ち上げてくれたらいいな、みたいな感じでいるのが良いと思います。

コミュニティ運営には色んなスキルがいる

コミュニティ運営スキルって言うとあまりイメージがつかないかもしれないけど、コミュニケーションやチームマネジメント、共感力や話を聞く力など本当色んなスキルが求められるし身に付くなと感じる。コミュニティにいる様々な人たちがどうやったら安心して発言できる場が作れるのか、新しく参加した人がどうしたらコミュニティに馴染んでくれるのか、どういうイベントをやったらみんなの役に立つのか、どういう場であれば定期的に戻ってきたいと思える場になるのか、どうしたら辛いときに助けてと言える場が作れるのか、それって普段チームで仕事をしている中で考えていることと共通しているし、本当仕事じゃないけど仕事みたいだなと思う。

現在の悩み

人数が増えてきて一番の悩みは全然来ていない、または全然書かず読んでいるだけのように見える人たちをどうしていくかで、コミュニティを信頼してパーソナルな話を書いてくれる人たちがいることを本当に嬉しく思っているんだけど、同時にものすごくプレッシャーを感じていて、よく知らない読んでいるだけの人が増えていくのは怖いし、誰か悪意を持った人がその内容をどこかに流してしまったらどうしようとか不安になる。一時期は明らかに来ていない人に一人ずつDMしていたんだけど、手間がかかるしストレスも大きいので、もう少し機械的に何か出来ないかなと思っています。全然来てなかった人がある日突然来て何かを書いていってくれることもあってそれはすごく嬉しいのだけど、もう来る気がないのか判別できないので難しいなと思う。他のコミュニティでどうしているか知りたい。

Techで働く人が対象と言いつつ、私がエンジニアなこともあって集まる人はエンジニアが多くてアクティブメンバーもエンジニアに偏りがちで、その他の職種の人にもっとアクティブになってもらうためにはどうしたら良いんだろうなと悩んでいます。


コミュニティ運営は本当に楽しいし、安心してお喋りできる場所があること心強いし、みんなにもそう思ってもらえるようこれからも頑張っていきたい。どんなに頑張っても万人に合うコミュニティって作れないので、もしあなたが入りたいと思うようなコミュニティがなかったらぜひ自分で立ち上げてみて欲しいです。

© Copyright 2020-2022 Yuka Masuda